
白ターラはホワイトターラ、白多羅菩薩ともいい、多羅菩薩の種類の一尊です。多羅菩薩にはいくつかの種類がありますが、とりわけ白ターラと緑ターラは当店でも非常に人気が高い仏像のひとつです。
ターラ(多羅菩薩)はサンスクリット語で「瞳」を意味で、インド・チベット・モンゴル・ネパール・中国など密教が伝播した諸地域で、観音菩薩や文殊菩薩などの人気の尊格にも引けを取らない信仰を集めた仏です。ターラ(多羅菩薩)が誕生した由来は、観音菩薩が衆生を救い尽くせないことのために流した涙から蓮華が咲いて、その花から生まれたといわれていて、また観音の瞳から放たれた光明から生まれたともされています。また、ターラには救済するという意味もあり、チベットでは「ドルマ(救済の女神)」といわれ、女の子が生まれると「ドルマ」という名前を名づけることも多いようです。
またターラ(多羅菩薩)は観音菩薩の救済する手から漏れたものを救うとされる美しい女尊として厚く信仰されています。
白ターラ(ホワイトターラ)は健康と長寿をもたらすと信じられていて、長寿三尊という、長生きにご利益のある仏様の内の一尊としても信仰されています。
お姿の特徴としては、菩薩のお姿に両目に加えて、額と両手、両足に計7つの眼を持つ姿で描かれ、左手に蓮華を持ち、右手は与願印を結んでいます。蓮華が観音菩薩とターラ(多羅菩薩)との深いつながりを示していて、右手の与願印は人々の願いを聞き届けようという慈悲を象徴しています。