仏像を目にすると色々なお姿をされていますが、まずそのお姿を大別して座像と立像に分けることができます。そしてさまざまな座り姿や立ち姿をしています。その立ち方や座り方のいろいろな違いにも、それぞれの仏像の性格や役割が反映されています。
それらのお姿にはどのような違いや意味があるのか探ってみたいと思います。
仏像ときくと、その思い浮かべるイメージとしては座っているお姿(座像)ではないでしょうか。それだけ座像のお姿の仏像は多いです。
日本の伝統的な座法というと正座で、僧侶が仏様を拝む場合の一般的な座り方として知られています。
普段用いられる座法は武士、女性、茶人などでも胡座(あぐら)や立膝で座る事が普通であり、正座とは、元々、神道での神、仏教で仏像を拝む場合や、征夷大将軍にひれ伏す場合にのみとられた姿勢であったようであります。
結跏趺坐(けっかふざ)は座禅を組むときの座り方で、如来像で多く見られ、両腿それぞれに逆側の足の甲をのせてあぐらをかきます。右足が上になるのを吉祥座、逆を降魔座といいます。半跏趺坐(はんかふざ)はあぐらをかき、右足の甲をのせた形です。座禅会などで初心者にこの座り方がすすめられます。菩薩坐像に多く見られます。
インド古代の伝説に正義をもって世界を治める理想の王を転輪聖王(てんりんじょうおう)と称されます。
輪王座(りんのうざ)は右足を立膝にして、左足の裏に右足をのせます。如意輪観音の座法として有名です。インドでは獅子吼観音像(ししくかんのんぞう)などにみられます。
仏教には右手が仏を左手が自己を表し、仏の知恵で自己を抑えるという意味があります。
半跏踏み下げ像は台座に座って右足を下ろし、右足の甲を左足の腿にのせた形です。弥勒菩薩の座法として有名で、如意輪観音にも見られます。この座法で右手を頬に当て、思いに耽っているような像を半跏思惟像(はんかしゆいぞう)といいます。
やはり仏像のイメージというと如来像の袈裟を着て螺髪姿を思い浮かべ、さらにいうと、座っている坐像を思い浮かべるのではないでしょうか。
それだけ坐像の像は多く、多くの仏像が蓮華座に座っています。一番ポピュラーな仏像は観音菩薩ですが、観音菩薩と蓮華の結びつきは強く、蓮華には泥の中にあっても、水をはじく性質があり、泥に汚されず清浄であり、とても綺麗な花を咲かせる蓮華は、仏教において煩悩を滅却し解脱して涅槃の清浄の境地を目指す境地と合致しました。