今日では地域や国、時代を超えてたくさんの色々な仏像がありますが、いつ頃、何故、どのような仏像が造られ始めたのでしょうか。
![仏像の誕生](https://img21.shop-pro.jp/PA01330/668/etc/2_7.png?cmsp_timestamp=20180711095523)
お釈迦様が入滅された後に、仏教は仏弟子や信者によって広がりをみせました。お釈迦様の遺跡地である仏跡に遺骨を納めた仏舎利塔が建てられ、偉大なる業績を偲びました。その後約500年の間、釈迦の像が作られませんでした。かつては崇高なる神々を形で表すのはタブーとされており、同じように偉大なお釈迦様のお姿を我々と同じ人の形で表すのは恐れ多いと考えられてました。
また臨終の際に「自灯明・法灯明(じとうみょう・ほうとうみょう)」=「他者に頼らず、自己を拠りどころとし、法を拠りどころとして生きなさい」と最後に説かれたのも仏像が作られなかった理由の一つであると考えられております。
その後ギリシャを起源とするヘレニズム文化の影響等などにより、1世紀ごろからガンダーラで仏像彫刻が作られ始めたのと同時期に、インド中央部のマトゥラーでも仏像が作られ始めました。
仏教徒の間でお釈迦様への思慕が強まっていった中で、仏像(釈迦の像)が作られるようになったと考えられています。
在来の仏教諸尊に加えてバラモン教など外教の神々や鬼神の姿を採り入れて、それまでには見られなかった異様な姿の多面多臂像(ためんたひぞう)や密教教理に基づいて新たに創作された尊像までが加わり、修法や観想(諸尊を心の中で思い描くこと)の対象としてたくさんの仏像や絵画が作られました。
仏像があるおかげで、一目見ただけで仏教の有り難さや仏様の慈悲深さを感じることができます。また密教では、経典だけでは全ての教えを解かりえないので、仏像や曼荼羅で悟りの世界を視覚化するといった意味合いもあります。
また人々の願いや悩みは無数にあり、個人で仏像を安置する理由としても様々な理由があります。亡くなられた方の供養として造仏されたり、家族の平和を願ったり、商売繁盛を願ったりと非常に長い時を超えて今なお必要とされています。