仏教とはキリスト教、イスラム教に並んで世界三大宗教といわれ、世界中に信者がおられます。その仏教とはどういった教えなのでしょうか。仏教は突き詰めれば哲学であり、宗教ではないという意見もあります。一体いつ、誰が説いた教えなのでしょうか。探っていきたいと思います。
仏教とは文字通り、ほとけの教えです。ほとけとは、お釈迦様やその他のブッダのことで、その教えに従い、悟りと解脱を求めようとする宗教です。その教えがインドから遠い日本まで伝わり、今日までに至ります。お釈迦様がインドで仏教を開かれてから今日まで2500年も歴史があり、日本でも様々な宗派があります。世には、数多くの経典が存在し、様々な教えがその中に説かれています。そもそも仏教の教えは「八万四千の法門」といわれるように、数多くの教えがあります。そんな深遠な教えをどうやって簡潔に答えることが出来るでしょうか。
以前ある仏教の先生から「仏教の教えとは何ですか?」ときかれたことがあります。当時の私には上手く答えることが出来ずに、「あーだ、こーだ」と色々なことを申してしまいました。仏教の深遠な教えを一体どうやって一言で答えることが出来るだろうかとその時には思っていました。
仏教の教えを簡潔に説明するのに一番適した偈文があります。それは「七仏通戒偈(しちぶつつうかいげ)」という有名な偈文があります。七仏とは七つの仏とありますが、過去七仏(かこしちぶつ)のことで、お釈迦様とお釈迦様以前に現れたとされる仏のことです。6人は毘婆尸仏(びばしぶつ)、尸棄仏(しきぶつ)、毘舎浮仏(びしゃぶつ)、拘留孫仏(くるそんぶつ)、拘那含牟尼仏(くなごんむにぶつ)、迦葉仏(かしょうぶつ)です。最初の3人ははるか昔の仏で、後の3人はお釈迦様と同じ時代に現れたとされます。教え・法・真理とは時代を問わず普遍的なもので、お釈迦様以前のはるか昔からあります。お釈迦様と六仏も共通に説いていているのが「七仏通戒偈(しちぶつつうかいげ)」です。諸悪莫作(しょあくまくさ)、衆善奉行(しゅぜんぶぎょう)、自浄其意(じじょうごい)、是諸仏教(ぜしょぶっきょう)(もろもろの悪をなすことなく、もろもろの善を行い、みずからの心を浄めること、これが諸仏の教えである。)この偈文は仏教思想を要約したものとみなされています。
いかがでしょうか。非常にわかりやすく簡潔な偈文ですね。これ以上要約することは不可能なほど仏教の教えが集約しています。
要するに、仏教の教えとは、悪事を為さず、善行を積むということです。
もちろん仏教の教えを学ぶことはとても大事なことですが、この偈文からもわかるように、煩悩を起こさないための我慢や修行、そして善業を積むための行動が大事だといえるのではないかと思います。