
仏像を見てみると、様々なお姿や、ポーズをしています。これは何か意味を表しているのでしょうか。よく見てみると手で何かポーズをとっていることがわかります。そしてその手のポーズは色々な種類があるようです。これはどういうことでしょう。実際仏像の手の形には様々な意味が込められています。また仏像のポーズには手だけではなく、立ったり、座ったり、寝ていたりと体全体で、様々なポーズをしています。
仏像を目にすると色々なお姿をされていて、座っている座像や、立っている立像、涅槃を迎える時のお釈迦様のお姿である涅槃像(ねはんぞう)、腰を掛けている倚像(いぞう)などがあります。
そのお姿を大別して座像と立像に分けることができます。そしてさまざまな座り姿や立ち姿をしています。そのお姿にはどのような違いや意味があるのでしょうか。
仏像の立ち姿の起源は、お釈迦様が説法に赴くお姿であります。その立ち姿も違いがあります。直立像(ちょくりつぞう)は両足をそろえて直立する姿勢です。侍立像(じりゅうぞう)は三尊形式で、脇侍像が前かがみに膝を少し屈する像をいいます。蹶起像(けっきぞう)は片足を上げ、もう片足だけで立ちます。金剛童子像や蔵王権現像が有名です。
仏像ときくと、その思い浮かべるイメージとしては座っているお姿(座像)ではないでしょうか。それだけ座像のお姿の仏像は多いです。
結跏趺坐(けっかふざ)は座禅を組むときの座り方で、如来像で多く見られ、両腿それぞれに逆側の足の甲をのせてあぐらをかきます。右足が上になるのを吉祥座、逆を降魔座といいます。半跏趺坐(はんかふざ)はあぐらをかき、右足の甲をのせた形です。座禅会などで初心者にこの座り方がすすめられます。菩薩坐像に多く見られます。輪王座(りんのうざ)は右足を立膝にして、左足の裏に右足をのせます。如意輪観音の座法として有名です。半跏踏み下げ像は台座に座って右足を下ろし、右足の甲を左足の腿にのせた形です。弥勒菩薩の座法として有名で、如意輪観音にも見られます。この座法で右手を頬に当て、思いに耽っているような像を半跏思惟像(はんかしゆいぞう)といいます。横たわったお姿の臥像(がぞう)は釈迦涅槃像だけに見られ、お釈迦様が80歳で入滅した時の姿を表現したものです。

このように仏像の種類によっても様々なポーズ、立ち方や座り方がありそれぞれの働きによっても違いがあります。まず立っている立像(りゅうぞう)か、座っている座像(ざぞう)なのかを見てみて、そこから、何の種類の仏像か、手の動きはどうかを見ていくのも良いかもしれません。