そもそもインテリア仏像という言葉は、仏像が昔からお皿や壷などの骨董品と同じように個人のご自宅の居間や床の間などに安置され、鑑賞されていたということをお客様に分かりやすくご紹介するための造語です。
インテリアとは室内の装飾品のことで、室内を装飾するものが代表的であります。その中には家具はもちろんのこと、壁紙やカーペット、カーテン、照明器具、キッチンなどの設備機器もすべてインテリアに含まれます。誰でもご自宅は落ち着いて、気持ちよく暮らしたいと思っていますし、インテリアは気持ちよく生活するために一役買っています。
インテリアとしの仏像というと何か軽い印象を受けますが、あくまで観賞用として安置している仏像のことです。それは仏壇の中などに安置して僧侶に開眼供養されていない仏像と思っていただければ良いかと思います。開眼供養してからは、仏様としておむかえしていただくようになりますので、お供え等をしていただく必要があります。
選ばれる際も、基本的には仏壇用の仏像でなければ、信仰する仏様や、ご自身のお好きな仏像をお選びいただければと思います。特定の仏様がいなければ、個々のデザインからお選びいただくのも一つですし、それぞれの仏様の「功徳(ご利益)」を参考にされるのも良いかもしれません。
例えば薬師如来は医王仏とも呼ばれ、昔から特定の方の「病気平癒」を祈った仏様と言われています。また、阿弥陀如来は「極楽浄土」の仏様です。現世の「安穏」と「極楽往生」を願って造仏されてきました。さらに、お釈迦様は唯一実在した人物で仏教の開祖であります。全世界で釈迦如来の仏像が造仏されております。これらの仏様は全て如来であります。仏像は如来や菩薩、明王、天などに分類分けが出来ますので、それらも仏像選びの参考にしていただければと思います。
「私は以前から観音様を信仰しています。」「昔から毘沙門天が好きです」といった特定の仏様を信仰されている方は、その種類の中から、大きさや素材・個々のデザインから選ばれても良いかと思います。
こちら側の気持ちの気持ちの持ちようではありますが、お供え等もしなくても問題ありません。粗末な扱いをせず手を合わせていただくだけで良いかと思います。インテリアとして思い思いの場所を選んで頂き、ご自身のお好きな場所に安置していただければと思います。
仏像だからといって罰が当たるとか近寄りがたいとは思う必要はなく、思い思いの場所にインテリアとしてお飾りいただければと思います。しかしだからといって粗末に扱うのもまた良いことではないので、ご自身なりに大切にしていただければと思います。
そして仏像とは非常に奥深い存在で、仏教の教理を体現した存在であり、生涯ずっとその奥深さを楽しむことができます。そのお姿や形から仏教の教理を学ぶきっかけになれば幸いです。